キーワードで見るソフトバンク携帯
ソフトバンクが携帯業界に参入しておよそ1年が経過する。ソフトバンクの携帯業界への参入が日本の携帯業界にもたらした意義について、ここで少し考えてみたい。それを考えるに当たり、3つのキーワードが措定できる。「安い」、「早い」、そして「荒い」である。
「安い」
「携帯価格を適正な価格に」ということで、携帯業界にも価格破壊をもたらす。
「早い」
ソフトバンクの事業は何につけても「早い」。会社の事業展開の方向が決まると大規模に即実行に移す。これは携帯事業についても同様で、新規参入にもかかわらず、失敗を顧みずに、早いペースで先に先にと進み出る。これは、日進月歩のインターネット業界では常識な動きだが、これを固定化した携帯キャリアの世界に持ち込んだ意義は大きい。
「荒い」
携帯業界での不明瞭な料金体系を分かりやすく、をモットーにしたはずのソフトバンクは、当初、さまざまなオプションやサービスを導入したため、かえって分かりにくくなる。また、「予想外」や「すべて0円」などのキャッチで世評を騒がすが、これらのサービスだけではメールもできないことなど窓口での混乱を来し、誇大広告の可能性を総務省から示唆され厳重注意を受けたことは記憶に新しい。
何につけても話題に事欠かないソフトバンク携帯。番号持ち運び制で業界シェアがほぼ確定すると予想される今年も、残すところ3ヵ月弱。ソフトバンク携帯は、当初の低迷を払拭するかのように本年5月に加入者純増数トップに躍り出て以来、9月まで連続トップの座を維持している。また、さまざまなデザイン携帯や高機能携帯を矢継ぎ早に投入し、外国のトップ映画スターを広告宣伝に起用して、ライバル企業にないハイセンスな企業イメージを確立しつつある。ソフトバンクの孫正義社長が、アップル社のスティーブ・ジョブズCEOのiPhone発表の基調講演の客席にいたことは有名で、来年度にアジアに投入予定の同機の、国内取扱店としてその名が筆頭に上がる。NTTドコモも同機には食指を動かしているが、アップル社が、国内シェアトップだがジリ貧のNTTドコモと、シェアこそ第3位だが急激に躍進するソフトバンクの、どちらと手をくむか、予断を許さないところである。